こんにちは!本日も皆さまのお役立ち情報をお届けいたします!是非最後までご覧ください。
日々の業務をスムーズに進め成果を出すため、人事異動や社員入社といったタイミングで業務手順書の必要性を感じることがあるのではないでしょうか。
しかし、実際に業務手順書を作成するとなると何からしたらいいのか迷う事や、業務手順書を一度作成したものの結局使われない状況になってしまっているというケースもあります。
そこで、この記事では業務手順書に必要な内容や目的を確認するとともに、利用者にとって分かりやすい業務手順書の作り方と、作成時に考慮すべき大事な5つのポイントについてお話していきます。
目次
業務手順書について

業務手順書とは?
業務手順書とは、業務の内容を細分化し、一つの作業単位の工程や具体的な手順を記載したものです。
業務の一連の手順や使う道具等の情報を、誰でも安全に、同じレベルで行えるように書かれている必要があります。
業務手順書に記載する項目
職種や業務内容によって異なる部分はありますが、記載すべき主な項目としては下記内容です。
- 作業名、目的
- 作成日、改定日
- 作業場所
- 使用機材、機器
- 作業基準(時間、合否ライン)
- 作業手順やポイント、留意事項
例として「会議の時にコーヒーを提供する」という作業について記載すると想定し、詳しく確認していきます。
作業名、目的
作業名は例として「コーヒーを淹れる」「〇〇会議室に持っていく」といった名前を各工程に付けて認識できるようにします。
目的は「会議をリラックス出来る場にするため」といった記載ができるかと思います。
目的について他の例で言えば、書類をファイリングする場合「紛失を防ぐ」「他の書類との混合を避ける」といった内容になるかと思います。
作成日、改定日
一次作成した日付及び、アップデートを行う場合には改定日と、必要に応じて改定者や改定箇所を記載しておくと後で見返しやすくなるかと思います。
作業場所
社内地図等に詳しくなくとも分かるよう「◯F◯会議室(◯◯フロアの隣)」といった明確な記載を行いましょう。
使用機材、機器
「コーヒーを淹れる」という工程においては「水、インスタントコーヒー」が必要となり、1人あたりの必要な分量まで記載します。また、道具として必要となる「湯沸かしポット、人数分のカップ、カップを乗せるトレイ」等を保管してある場所とともに記載します。
各工程に必要なものを準備しやすいよう、まとめて記載するのがポイントです。
作業基準(時間、合否ライン)
今回の例の基準としては「◯時の会議に間に合うように◯時までに準備しておき」「冷めないよう◯時くらいに提供する」というのが挙げられます。
他にも合否ラインとして設ける物があれば併せて、チェックシートのようなものを設け日々抜けがないようチェックができるようにしておくと、ミスを減らすことができます。
作業手順やポイント、留意事項
具体的な作業指示を記載します。今回で言えば「水をポットに2L淹れて、スイッチを入れる」「その間にカップを人数分並べていく」といった内容になります。
もし個人によってコーヒーの濃さや飲み物自体を変更する必要があるのであれば、留意事項として記載しておきます。作業の流れに出てこない留意事項については目につくよう文字を大きくしたり太字にする等の工夫をすることをおすすめします。
業務手順書作成の目的・メリット
業務手順書がない場合に起こる問題として、人によっては業務を手探りで進めることになったり、業務にムリ・ムダ・ムラが発生したり、担当者間での業務の質の差が開くといった事があります。
そういった事を予防する為に必要になってくるのが業務手順書。
作成する目的・メリットは大きく分けると4つあります。
・業務の見える化
慣れていない業務を行う場合、手順がある程度理解できていると混乱を防止できます。また、見える化することで、手順だけでなく留意が必要な情報について事前に確認することが簡単にできます。
・業務の標準化
業務を誰もが、最も効率的に安全に行うことができるように、業務を標準化できます。
・業務の品質管理
職員が業務の基準や目指す所を把握して業務を行うことが出来るので、品質を維持し、ミスやトラブルを防止できます。
・コツやノウハウの共有と継承
同じ業務を長く続けるとコツやノウハウが社員に蓄積されていきます。その蓄積された内容を継承・共有しないことで、企業として大きな損失になりますし、その社員の不在時に問題が生じることもあります。
そこで、手順書にコツやノウハウを反映することで、誰もがその業務を最良の方法で行うことができます。
分かりやすい手順書作成の大事な5つのポイント

業務手順書を作成しても、実際に活用されなければ意味がありません。
そこで、実際に利用する側にとって分かりやすく、実用的な手順書を作るため意識したいポイントを押さえておきましょう。
5W1Hを意識して、具体的に書く
内容は具体的であることが大切です。
「誰が」「いつ」「どこで」「何を使い」「なぜ」「どのように行うか」が分かるように意識して整理すると、伝わりやすくなります。
この具体性が欠けると「よく分からない」「何をすれば良いのか判断できない」等の事態に繋がります。
例えば、「お米を炊く」という作業工程の手順を記載する場合「当日の担当者1人が、10時に、炊飯器近くの洗い場で、道具(米・計量カップ・水・炊飯器)を準備し、昼食に職員が食べるため、何を行うのか(お米と水を計る工程・洗米の工程・炊飯器にセットする工程)」について記載する必要があります。
一度業務手順書を作成したら5W1Hの要素がすべて含まれているかチェックしましょう。
5W1HとはWho(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)を指し示す言葉です。
5W1Hを意識し文章を書くことで、相手に伝えたい情報が明確になり、過不足なく伝えることが可能になります。
視覚的に分かりやすくする
作成で重要なことは相手に分かりやすく伝えること。文字だけでなく、視覚的に情報を伝えたり整理することで、伝わりやすくなります。
その工夫として業務手順書の内容に、補足するための画像や作業全体の流れが把握できる業務フロー図を入れるとより分かりやすくなります。
業務フロー図を作成する際、こちらの動画を見ることで詳しい手順を確認することが出来ます。
留意点として、過度にデザインに凝りすぎると見辛くなるため、できるだけ統一感を持ちシンプルに纏めることを意識しましょう。
手順書利用者の立場に立つ
実用的な内容にするため、どの利用者に向け書くのかを意識して作成することが重要です。
例えば、新入社員が利用することも想定するのであれば、業務知識が無くとも理解できるよう配慮が必要になりますし、ある程度知識がある職員であれば、無駄な情報をカットできます。
読む相手の立場に立ち、客観的で分かりやすい内容にすることを意識しましょう。
略称ではなく正式名称を使用し、専門用語を多用しない
上記の利用者の立場に立つ、ということにも繋がりますが、略称や専門用語は作業者の混乱を招いたり、別途確認する必要性を生じさせます。
内容や対象とする利用者にもよりますが、誰でも分かる手順書にする為、可能であれば難しい言葉を避けて記載することを意識しましょう。
最初から完全な手順書を目指さない
最初からいきなり完璧な手順書を作成するのは難しく、そこを目指すと作成に時間がかかるばかりで、実用的な内容になっていきません。
まず最初に作成した一次作成の業務手順書を運用しながら、情報を更新したり、修正したりして、少しずつブラッシュアップして改善していきましょう。
実際に業務で使用することで見えてくる改善点があるので、使いながら改善することをおすすめします。
業務手順書の作り方6ステップ

それではいよいよ手順書の作り方について解説していきましょう。
業務手順書を作成する時の大まかな流れとして、6つのステップをご紹介します。
業務手順書の範囲(利用者・業務)と目的、期限を決める
まず、どの利用者が、どの業務を行う時に使用する、何の為の手順書かを明確にします。その事で、使用用途を明確にし、使いやすい手順書に近づけることができます。
また、一次作成期限と、運用を開始する時期を決めます。
ゴールを明確にすることで、作成途中のまま完了しない、作成したものの運用しないままになった、という事態を防ぐことができます。
まずは一次作成とテスト運用開始時期だけでも決定しておきましょう。
対象の業務・作業の棚卸しや可視化
現場で実際に作業を担当している職員から作業内容や手順について聞き出し、棚卸しします。その事で、現状の把握だけでなく手順の見直し等、改善できるポイントに気付けることがあります。
その他、個人だけで把握していた言語化されていないノウハウ等を手順書に反映できると、業務効率化に繋がります。
例えば領収書の整理業務を挙げると、長年業務を行っている担当者は経験が短い担当者に比べ、効率的に行う方法が身についていることが多くあります。その方法を個人だけで把握しておくのではなく、他職員も同様に行えるよう手順書に反映できると、業務を効率的に行うことができます。
業務手順書の形式・構成を決める
業務・作業の手順を棚卸しした結果や得た情報から、作業手順を設計していきます。
まず作業内容をリストアップし、手順書全体の構成を考えます。構成とは、手順書の全体の流れが分かる骨組みと言えるものです。
最初に構成を作ることで、書く内容を整理して、一貫性を持たせることができ、抜け漏れをなくし、必要な項目を網羅できます。
業務手順書の形式は業務手順書の利用者が使いやすく、メンテナンスがしやすいものが適しています。
業務手順を整理する
棚卸しをした業務内容に改善点や収集した情報を反映させた手順について、作成した構成に沿って記述していきます。
この際に、前章で解説した下記のポイントを意識しましょう。
- 5W1Hを意識して、具体的に書く
- 視覚的に分かりやすくする
- 手順書利用者の立場に立つ
- 略称ではなく正式名称を使用し、専門用語を多用しない
このポイントをおさえるだけで、分かりやすく実用的な業務手順書に近づきます。
作成中に意識するだけでなく、完成後のチェックや、内容の見直しを行う時にも全項目満たせているか、確認してみましょう。
作成した手順書を運用して手順に問題ないかを検証する
手順書が一次作成できたら導入し、実際に手順書に沿って業務を行います。
前章にも記載した通り、実際に業務手順書を見ながら作業をしてみて気づくことは多くあります。
テスト運用で現場からフィードバックをもらい、それを業務手順書に反映し改善することで、結果として早く使いやすく実用に沿った手順書にしていくことができます。
手順書のアップデート手法の決定
手順書は一度作成して完了、というわけではありません。
業務手順書が使われなくなってしまう原因の1つは、最新手順が記載されていないことです。日々業務内容は変化しますし、適時見直しが必要になることもあります。
業務手順書を有効活用していくため、常に最新の情報が反映されるよう、メンテナンスの頻度、タイミング、対応者を決めておくことが必要です。
常に最適化を行うことで手順書の内容をより実用的なものにし、業務の品質向上を行っていくことが出来ます。
まとめ
- 業務手順書とは、業務の内容を細分化し一つの作業単位の工程や具体的な手順を記載したもの
- 一連の手順や使う道具等の情報を、誰でも安全に、同じレベルで行えるように書かれている必要がある。
- 業務手順書を作成することで、大きく4つのメリットがある。
- 業務手順書作成にあたって5つのポイントを守り、6つのステップで進める。
ご紹介した通り、業務手順書を行うことで、様々なメリットがあります。ただし、業務改善書の作成や適時アップデートをするというのはある程度手間と時間を要します。
もし社内で業務手順書を作る余裕が無い、作成してみたものの上手く運用に沿わず活用できていない。そういった事がある場合には、プロの手を借りてみることで、効率的に業務手順書の作成を行い、業務改善につなげることができる可能性が高くなります。
是非試してみてくださいね!